人口減少と食品添加物

 

 昭和初期、終戦後に復員兵が返ってくると同時に人口は爆発的に増えている。

いわゆる団魂世代である。この時代、戦後でもあり食品の流通はあまりなく地産地消の食生活であった。

 

 その後、経済が軌道に乗ると同時に食品の全国流通も盛んになって来た。景気の拡大と共に食品添加物も必要に迫られて増加して行った。その増加と出生率の低下がX字型に形成されていった。

 

 ここに食品添加物と出生率の低下になる因果関係がはっきりしていると私は思うのである。何故なら戦前も人口の増加で日本は南米、ハワイ、中国、朝鮮、アメリカなどに日本人を移民している。

 

 このことは戦前も戦後も人口増加で、人間をどのように分散するかという事が政府の大きな課題であった。この時代食品添加物はほとんどない時代であった。今でもアフリカなど経済的事情で添加物の食品が流通していない土地では、出生率が異常に高くなっている。

 

何故、食品添加物が出生率と密接に関係しているのか?これには食品添加物の必要性が、腐らせない、食品を長持ちさせる、見た目、軟らかさ、パリパリ感、旨み、甘さなどあらゆる加工に自由自在に使われている。

 

 食品の大量販売、全国流通、安定した品質、出来るだけ長持ちさせるなどの事情に合わせて細菌を抑制する最低限の毒物を政府は許可している。その為あらゆる添加物の複合汚染が年々進んでいると思われる。

 

 人間の腸の中は何兆億個もの細菌の宝庫である。この細菌と人間は相互依存している。人間は食べ物によって、細菌を腸の中で養っている。何兆億個の細菌は食物の、消化、解毒、免疫、栄養の吸収、ビタミン、ミネラルの生成など多くの事で人間に恩返しをしている。

 

 その関係が良好である時には、健康も活発になり、出生率も多産系となる。ところが食品添加物が毎日のように入って来ると、腸内細菌も細菌であるから、添加物の毒素によりその活動が抑制される。

 

 食品添加物は毒素であるが食品の中に混入される物だけに、政府も最低限の使用許可を出している。その為、身体にとって極端に悪いような症状は出てこない。しかしジワジワと腸内細菌を痛めつけている。

 

 腸内細菌の活動低下は、出生率の低下、高血圧、高血糖、糖尿病、癌、婦人科疾患、泌尿器疾患、性欲不足による結婚率の低下などとなって慢性病が起きている。

 

 政府は養育費の補助などで出生率を上げようと考えているようであるが、それは小手先の考えであって根本の解決にはなっていない。根本的には食品添加物による腸内細菌の機能低下を考えなくてはならない。

 

 個人的には腸内細菌が、食品添加物によりどれほど迷惑を蒙っているかを考えて、添加物を出来るだけ取らないような食生活をする必要がある。政府、医者、製造業者などは食品添加物を削減するような考えは全くない。

 

 健康的な生活を送ろうと思えば、各個人が自分の意志で食品添加物を削減する努力をしなければならない。これが日本の人口減少の要因になっている食品添加物の現状である。