高血圧は運動と食生活
なぜ血圧は上がるのか?そのメカニズムから解き明かして、高血圧の解消法を探っていきます。血圧が上がったからと言って単純に降圧剤で血圧を下げることは、血管を薬で一時的に拡張させ圧力がかからないようにし、心臓の負担を軽くしただけです。
その為、身体が必要とするだけの血液を供給しないことになり、細胞は十分な栄養と酸素を受け取れず、臓器の働きを損なう結果になることが心配されます。
そこで、しっかりと高血圧の原因を把握しておくことが肝心であります。血圧は心臓の収縮によって血液を送り出し、その時の血管壁にかかる圧力が最高血圧です。反対に心臓が膨らんだときに血液は心臓内にありますから血管壁にかかる圧力は最も少なくなります。それが最低血圧です。
収縮期の血圧が高いという事は、心臓から強い圧力で血液を押し出しているという事で、心臓から押し出された血液が静脈血に移行せず、より多くの血液が動脈側に残ったことを意味します。
これは血液循環がうまくいっていないのが原因です。血液は毛細血管を通して静脈に移りますが、循環の悪い人の場合、静脈の中に血液がたまっていますから、圧力をかけてもうまく静脈の中に流れ込まないのです。
脳は一刻も早く全身の細胞に栄養と酸素を送り出すように、心臓に指令を出します。心臓はそれに応えるため圧力を高めます。しかし静脈血の流れが悪いため、スムーズに血液循環が行かず、血圧は高くなります。
この静脈血の流れを解消するには、筋肉と肺活量、食生活が関係してくるのです。まず、筋肉の作用を考えましょう。筋肉は、それ自体が心臓と同じように血液を循環させるポンプの役割を持っています。
筋肉を動かして弛緩して軟らかくなれば動脈の側から静脈に血液が流れ込んでくるし、収縮して硬くなって血管が圧迫されれば、血液は静脈側(心臓に戻る方向)に向かって押し出されます。筋肉は弛緩と収縮するたびにポンプのように静脈の血液を心臓に向かって流しているのです。
身体全体の筋肉量は体重の40%もあり、体重50キロの人であれば20キロの筋肉が張り巡らされているのです。そこに張り巡らされた毛細血管の量は膨大なもので体を使い、筋肉を収縮させるという事は、大変強力なポンプとして血液循環に寄与していることになります。
次に、肺の働きについて記します。呼吸をして、息を吐いた時には肺の負圧が上がり、心臓の右心房から血液を吸い上げるために肺の中は血液で満たされます。息を吸い込んだ時には、肺の圧力が正圧に近くなるために毛細血管が圧迫されて満たされていた血液は左心室に向かって押し出されます。
つまり、肺も呼吸によって血液を吸い上げたり、血液を押し出したりするポンプ作用を持っていて、スムーズに右心房から左心室に血液を運んでいるのです。その時、静脈血に酸素を入れ、老廃物を取り出し、新しい動脈血として心臓に送り出します。
肺呼吸のポンプ作用によって、心臓はどれほど助けられているか?筋肉と肺と心臓と、3者のポンプ作用がバランスよく行われてこそ、血液はうまく循環し、血圧は正常に保たれるのです。
寝ている時には筋肉は動かしません。しかし、運動して筋肉の力を高めておくと、基礎代謝と言いまして寝ている時でも、筋肉は熱を発散して、血液循環を良くします。肺呼吸のわずかな動き、心臓の鼓動、そのわずかな振動に対して筋肉は敏感に反応してポンプ作用を発揮するのです。
筋肉、肺、心臓のポンプ作用だけで血液循環がうまくゆくかというと、そうは思えません。やはり食生活をしっかりしたものにして置かないと、血液がドロドロであっては、いつ何が起きるか分からないのです。
私は1日2食半主義で、朝は野菜ジュース1杯とミソスープ1杯。昼と夜は無水鍋で野菜だけを何種類も低温で煮て(水も調味料もなしで煮る)、それを1品必ずつけます。それに玄米食で黒ゴマをたっぷりかけ、青のりを振りかけて食べます。
その他の総菜は好みで適当に食べてください。ただし、食品添加物の入った食品はなるべく食べないことです。普門堂のホームページで「がん専門情報サイト」というのがあります。そこに食品優劣ランク表がありますから、そのランク表を見ていただければ添加物の入っていない、もしくは少ない食品が分かります。
1日2食半主義と言っても、過食や間食はいけません。昼食と夜の食事は腹8分で抑えてください。腹8分と言っても個人差がありますから、うまく行かないものです。試行錯誤してでも、どうにか腹8分に持って行ってください。
野菜果物のジュースや野菜を無水鍋で炊いた総菜、玄米ご飯、食品添加物の入らない総菜、などを腹8分で食べていると、腸の中ではビタミン、ミネラル、食物繊維が充分に入ってきますので、善玉菌が増え理想的な体造りが出来ます。
高血圧は運動と食生活によって誰でも解決できる病気であります。自分の努力で、正攻法で解決してください。