食物繊維と健康

食物繊維と健康

 野菜、果物、穀物に沢山含まれている食物繊維、第6の栄養素と言われ現代のスーパー健康食品と言われている。食物繊維は小腸では吸収されないで、通り過ぎて行く為、昔は食物のカスだと言われていた。

 

 ところが研究が進むにつれて、この食物繊維が身体にとって重要な働きをしていることが分かって来た。何故、腸は大まかに分けて、小腸と大腸に別れているのか? ここで食物繊維の価値が出て来る。

 

 食物繊維は小腸では分解、吸収されないので、そのまま大腸までやってくると、ここでビフィズス菌の餌となり、善玉菌を増やし、免疫細胞の増産、有害物を絡めとって排出、便秘の解消、コレステロールの排出、など大活躍する。

 

食物繊維は水溶性といって水に溶けやすい性質のものと、不水溶性といい水に溶けにくい物に別れている。それぞれの役割があり、水溶性は粘着性により、胃腸内をゆっくり移動するので、お腹が空きにくく食べ過ぎを防ぐ効果がある。

 

又、糖質の吸収を緩やかにして食後、血糖値の急上昇を抑える。その作用により、糖尿病、インスリンの感受性を抑える効果がある。

 

 先進諸国に見られる疾患が、アフリカ原住民に少ないのは、食物繊維の摂取量が多いという見解が発表された。食物繊維は大腸の中で発酵、分解されるとビフィズス菌などの善玉菌の餌となり腸内環境を良くする整腸作用がある為だ。

 

 食物繊維は低脂肪食であると共に繊維の中にコレステロール、胆汁酸、有害物質、多過ぎたナトリウムなどを吸着して体外に、便と共に排出する働きがある。

 

その結果、血液がサラサラになり、動脈硬化、高血圧、便秘、痔、心筋梗塞、虚血性心疾患、大腸癌、胆石、脂質異常症、体重の増加、炎症性大腸炎などに効果を発揮する。

 

また、腸の中には免疫細胞の7割が集中している。食物繊維により腸内環境が良くなると、この免疫細胞の増産や教育も促進され、立派に育った免疫細胞が全身に流れる。

 

食物繊維の多い食品には次のようなものがある。

押し麦、大麦、オートミール、全粒粉、ライ麦、パセリ、モロヘイヤ、グリンピース、キュウリ、ほうれん草、シイタケ、ソバ、しらたき、ゴマ、キンカン、かぼちゃ、アボカド、うずら豆、そら豆、あずき、納豆、サツマイモ、ナメコ、枝豆、オクラ、牛蒡、切り干し大根、にんにく、ふきのとう、芽キャベツ、ニンジン、タケノコ、ブロッコリー、果実類、ヒジキ、海藻など。

 

 ネズミを使った実験では、食物繊維を与えない食生活をさせると次のような障害が起きた。

 

 大腸の粘液層のバリア機能が低下し、細菌が大腸の上皮細胞を侵食した。体重の増加、血糖値の上昇、インスリン抵抗性が急速に増大した。又、大腸の厚みが大幅に失われた。大量の腸内細菌が死滅しただけでなく、別の悪玉腸内細菌が増え不健康なバランス異常を起こした。これは3日から10日の間に問題が生じるほどの速さであった。

 

無水鍋による食物繊維の料理

私は無水鍋を使って野菜を大量に食べる様にしている。無水鍋を使って多くの野菜を2センチ角に切って入れる。白菜、小松菜、大根、ニンジン、サツマイモ、カボチャ、玉ねぎ、ブロッコリー、こんにゃく、長芋、ジャガイモ、牛蒡、など手当たり次第に野菜を切って放り込む。

 

 調味料、水、など一切加えないでそのまま3時間煮込む。IHコンロを使い超低温で、下から3番目の目盛の所に設定する。タイマーで3時間、そのまま放置する。超低温だから湯気が逃げず、鍋の中で巡回するので、出来上がりも底には野菜の水分が溜まり、焦げ付いていない。

 

 味付けもしていないのに、野菜の甘みが出てとても美味しい。3時間煮込むことによって野菜のカサが減り、軟らかくなっているのでいくらでも食べられる。

これを毎食必ず食べている。

カロリーが低いせいか全く太らない。食物繊維が多いので大便が大量に出る。便秘は全くしなくなった。顔色が良くなり、風邪を引かなくなった。たまに風邪を引いても、何もせずにすぐ治る。

 

 食物繊維の効能がどの程度あるものか? 自分の身体で実験する為に、無水鍋(約3万円)を買い込み6カ月前から試しているのだが、どうしてこんなに大量の便が出るのかと思うぐらい大便が多くなった。

 

 現在81歳で腰が少し曲がりかけていたが、腰がしゃんと伸びる時間が増えて来ている。眠りが深く、夜中にトイレに起きてもすぐ寝付けるのでとても助かる。

 食物繊維によって善玉菌が増え腸内環境も良くなると、セロトニンなどの「ゆかい物質」が生産され、精神的に安定して、楽しいことを考えたり、笑う事が多くなる。自分の心の移り変わりを観察していると、その効果を実感できる。

 

 食物繊維はビフィズス菌の餌となり、善玉菌を増やし整腸作用を促進してくれるので、人体の根本的な所を(木に例えると根っこ)が健康になる。そこで吸収される優秀な栄養物が全身を巡り、健康となるのである。