寝覚めが悪い、悪い夢を見る、眠りが浅い、起きられないなどの症状を訴える人の場合、食べ過ぎている傾向が強いのです。自分では食べ過ぎている感覚は全くない人でも案外食べ過ぎがあります。
少食と健康を研究している学者は世界中に沢山います。ある研究者の報告によると60匹のサルを30匹ずつA郡とB郡に分け、A郡のサルには毎日腹いっぱいの食事を与えました。B郡のサルには70㌫に制限した食事を与えました。
そのサルたちを15年間飼育したところ、A郡のサルは15年生存が15匹でした。それに対してB郡のサルは28匹のサルが元気で生存していたのです。
約2倍弱、B郡のサルが長生きしました。
腹7分に病なしといわれますが、腹満腹と腹7分では2倍近くも寿命が変わるのです。少食を心掛けている有名人で、1日1食の生活をしている人は沢山います。水谷豊、千葉真一、タモリなどは1日1食だそうです。
私が考える少食は、朝、昼、晩、食べて腹5分の食生活をする事です。なぜなら自分の中で腹5分にしていると考えても、実は腹7分ぐらいになっていることが多いからです。人間の食欲は簡単に腹5分で押さえられるものではありません。
3度の食事をするということは、食生活を3度に分けますので食べ物の種類が多くなるからです。又一般の人と食事をすることが多いので、お付き合いと言う意味もこめて3度が理想的だと思います。
後は自分の中で腹5分の食生活がどれだけ守れるかが問題となります。少食であるからこそ、栄養分の補給という事を慎重に考えなくてはなりません。うどんだけ、カレーライスだけ、ソバだけというのでは栄養が不足します。
玄米食、小魚、野菜、海草、煮物、味噌汁、発酵食品など種類は豊富にすることが大切です。特に白ご飯、白パン、白砂糖、など精製されて栄養分を剥ぎ取られている食品は、いくら多く食べても栄養不良になります。
癌になる人は食べ過ぎが多く関係しています。癌は正常細胞の10倍から20倍の栄養分を必要とする大食漢です。腹7分の食生活をしていると、食べた栄養は、体内50兆の細胞と癌細胞が栄養を奪い合うことになります。
あっという間に栄養分は消化してしまいますから、癌細胞に回る栄養が不足するのです。その結果、癌細胞は増殖することが出来ません。ところが、腹満腹で120㌫の食物を食べているとどうなるのでしょうか。
正常細胞は100㌫の栄養で満足してしまい、それ以上の栄養を必要としません。癌細胞は大食漢ですから、正常細胞と同じだけ栄養を補給した上に、残りの20㌫流れてくる栄養を思う存分食べることが出来ます。
その結果、癌細胞はドンドン増殖することが出来るのです。癌を告知されて食生活で乗り切ろうと考えている人にとって、腹5分の食生活を心掛けることは絶対に守らなければならないことです。
癌で体力が落ちているからといって、沢山食べて体力を付けなくてはと考えるのが普通です。しかし考えてみてください、癌は10倍から20倍も沢山食物を欲しがる大食漢です。
弱っている身体といっても、必要以上の食物をとることは無いのです。それなりに思い切って少食に切り替えてください。癌細胞に送られる栄養を少なくすることこそ、癌の人がとる食生活となります。
抗癌剤を使用している人たちは、痩せ細って体力も無いのに、抗癌剤の副作用で食欲が全く湧かないのです。それでも何とか生命だけは維持しています。それ程、体の生命維持能力はすばらしいのです。
癌で体力が落ちている人でも、腹5部程度の少食には耐えられる生命力を皆さんは持ち合わせています。心配しないで少食を心掛けてください。ある程度、体力がある人は断食道場で本格的な断食を行うと良いでしょう。
断食道場で断食をすることによって、多くの癌患者さんとの触れ合い、断食に対する基礎知識、断食の効能,復食どきの注意点、など基礎的な断食の良さを知ることが出来ます。
本格的な断食は抗癌剤使用と同じく、癌細胞にも打撃を与えますが、正常細胞にも打撃を与えます。ところが断食を終わり復食期に入りますと、正常細胞はいち早く回復に向かいます。癌細胞は復食期といえども少量の栄養のため、立ち直りが遅くなります。
その上、正常な食生活に戻ったとしても、少食には変わりが無いので、癌細胞は大きくなれないのです。癌でもかなり深刻な人の場合は、3ヶ月ごとに断食道場で断食を繰り返してください。
その結果、かなり進んでいる癌患者さんの場合でも、完全に治癒する可能性が高くります。癌が出来る体質まで追い詰めていた体です。それを根本的に体質改善をするのには、本格的な断食や、毎日のプチ断食を継続することが大切になります。
手術や抗癌剤治療で、近道や裏道を要領よく通り抜けて、癌を克服すると考える方法と違って、断食はまともに癌に立ち向かって、正々堂々と戦う王道といえます。