運動は年齢に関係なく、健康の土台と考えて、死ぬまで鍛える事が大切です。世界の長寿村、フンザ、コーカサス、中国奥地、グルジア、などの長寿村は山岳地帯で食物もあまり取れません。必然的にお年寄りになっても田畑で農作物を耕しています。
その為、筋肉は人一倍強く、細身で、動きも活発、100歳になっても畑仕事をしています。寝た切り、痴呆症、癌患者、糖尿病、うつ病、など日本で起きている疾患とは無縁です。運動すること、働くことがいかに、健康の土台になっているかを証明しているようなものです。
運動は筋肉を鍛え、力をつけるだけではありません。身体各部の筋肉と共に、その中にある内臓も強化されているのです。食べたものが充分に消化吸収され、血となって全身に新鮮な栄養を運びます。
その為、次のような効能が出てきます。老化防止、基礎代謝の向上、体温の上昇、免疫力向上、血圧の正常化、血糖値の抑制、頭脳活性化、圧迫骨折防止、癌の予防、などその効能は多岐にわたっています。
日本でも元気な長寿者の特徴は、筋肉がしっかりしており、よく歩き、よく動き、よく働く、前向きな生活をしている人達です。メタボ、心臓病など、動かない為に起きてくる病気の人はほとんどいません。
年を取ったからこそ運動をして、入院生活など送らないように気を付ける必要があります。70歳を過ぎて入院生活になると、動かない、筋力の低下、薬の副作用、内臓の弱り、廃用性萎縮、などにより老化はどんどん進行して、ついには寝たきりになります。
日本の老人施設と、アメリカの老人施設との違いは、天と地ほどの違いがあります。欧米の老人施設は自立させることを目的にしています。だから、寝たきりの人は起き上がらせる。起き上がると車椅子で動かす。次に歩く訓練をする。歩けるようになると散歩をさせます。
あくまでも自分でやらせます。施設の職員は介護で付きます。しかし、じっと見守り、手助けをしません。転びかけた時にサポートをするだけです。
日本の老人施設はまず「安全介護」、「完全看護」なのです。何から何までやってあげる。「はい、ご飯ですよ」「お薬飲みましょう」「お絵かきしましょうね」「お遊戯ですよ」まるで保育園です。
老人施設に入居している人達も、厳しい人生を生き抜いてきた先輩です。それを保育園、幼稚園並みに扱う。すると、お年寄りも何でもお任せになってしまう。老人に依存心が芽生えるのが当然です。だから元気なお年寄りも、みるみる弱って行く自立心がしぼんでゆく。痴呆症が多くなってくるのです。
老人施設にお見舞いに行くと、玄関は完全ロックされています。痴呆症の老人が外に出ない為です。全員の老人が、籠の中に閉じ込められた、鳥のようなものです。廃用性萎縮で寝たきりになるのは当たり前ですね。
日本は寝たきりの老人が、アメリカの5倍、ヨーロッパの8倍もいる事はご存知でしょうか?日本の老人施設の介護が間違った方向で良いとされているのです。楽あれば苦あり、苦あれば楽あり、運動は面倒くさいし、年を取ってからの運動は苦しいものです。しかし、寝たきりにならない為には運動が必要です。
寝たきりにならず、頭もしっかりして、耳も聞こえて、目も良く見えて、誰の世話にもならず、死ぬまでかくしゃくとして、畑仕事をして、大いに話し、大いに笑い、理想の人生を全うしてぽっくりと死ぬ。世界の長寿村には、このような人生を送っている人が現実にいるのです。