老齢になればなるほど癌に掛りやすくなる。これは癌が人間最後の死に誘導している病であるからだ。老齢になると基礎代謝も活動代謝も弱まり、細胞の入れ替えが悪くなる。
そこには人間が生まれるとき父母から受け取った酵素「生命力」の力が関係している。この酵素は順調に消費すれば125歳まで生きられる量がある。ところが暴飲、暴食、大きな病気、過労、などによりどんどんその消費は加速され、平均寿命あたりで無くなるのです。
その酵素も50歳までは、かなりの量が残っていますから、すべての病に対応していますが、50歳を過ぎると、酵素の量が減りはじめ、その活動も弱くなってきます。それと共に基礎代謝も活動代謝も弱くなり細胞の入れ替えも鈍ってきます。
50歳を過ぎるころから癌になる人が増え始め、年齢とともに急増するのは、酵素量の低下と一致しているのです。酵素が底をつくと、どんなに健康な老人であっても、内臓が丈夫でも、関係なくころりと死んでしまいます。
年を取って、健康で過ごしていたのに、近頃食が細くなって、痩せて来て、少し顔色も悪くなってきた。家族が心配して病院で検査をしたところ、すでに末期のがんが見つかり、身体全体に転移もしていた。余命3カ月と診断される。
このような事例がお年寄りの場合、多く見つかります。これほど癌が全身に広がり、すでに末期になっているにも関わらず何故、痛みが出てこなかったのでしょう。本来人間の細胞の一部である癌細胞ですから、痛みがないのが当たり前なのです。
癌細胞が見つかったとき、抗がん剤でそれを激しく攻撃します。その攻撃で正常細胞もボロボロになり、それを修復するために痛みが出るのです。捻挫でも、打撲でも、切り傷でも、かなりの痛みが出てきます。これと同じで正常細胞がボロボロに傷つくと酷い痛みとなって現れるのです。
特に小腸の絨毛がやられると痛みが出てきます。胃痛、腹痛、胸やけ、など腹の痛みは良くありますが、胃、小腸などは皮膚表面と同じく、外部の食物と直接交わる場所ですから、神経はしっかりと張り巡らされています。
抗癌剤などが体内に入ってくると、まず小腸の絨毛が真っ先にやられます。癌は細胞の入れ替わりの時に、ほんの数時間、弱りが生じます。その弱りに付け込んで癌を殺すのが抗癌剤です。
正常細胞の中でも小腸の絨毛は、細胞の入れ替わりが激しいため、抗癌剤の標的にされ、絨毛はボロボロになります。吐き気、食欲不振、だるさ、特に疼痛が出るのは、この絨毛を修復するための痛みであります。
末期癌の抗癌剤治療は、少しだけ延命が可能と言われていますが、何もしない放置と、どちらが長生きするかは分からないのです。
余命2,3カ月が、1年も長生きした例。
山川悟さん79歳は、年末に吐血で入院、精密検査の結果、手遅れの胃癌と判明しました。年齢を考えると手術はしない方が良いと判断した家族の希望により、同和園に帰ってきました。
最初はコールタール状の便が出ていましたが、そのうちだんだん薄くなりました。その頃から食欲も出て来て、すっかり元気になったのです。自分から外出するなど、ほぼ正常と変わらない生活が8か月ほど続きました。
8か月を過ぎた頃から食欲が減りはじめ、好き嫌いも多くなり、最期は老衰死コースをたどり、余命2,3カ月と言われてから、1年近くも長生きしたのです。
(大往生したけりゃ医療と係るな)中村仁一著から引用
癌が年を取るにつれ増えるという事は、癌が死ぬための導きをしている為です。死ぬときは死にます。悪あがきをするから、抗癌剤の副作用で悲劇に見舞われることになるのです。癌を死の旅立ちをする使者と考え、癌を丁重に扱うと痛みも起こさず、安楽にあの世に導いてくれます。
末期癌を神様から遣わされた使者と考え、有難く、丁重に応対していた、おばあさんは、末期癌に伴われ三途の川の手前まで来ました。そこでふと立ち止まった末期がんさんがこう言うのです。
あなたは末期癌という、人間が最も忌み嫌う私に対して、この何か月間やさしく丁重に扱ってくれました。心から感謝しています、それなのに三途の川まで導いてきてしまって、本当に申し訳ないと思っています。
そこで私は考えたのですが、これから先、三途の川を私一人で渡ります。あなたはここから帰ってください。大丈夫です、後の余命を楽しく過ごしてください。何年かは元気に生活できます。
これが末期癌の自然退縮です。癌を忌み嫌って攻撃するのではなく、丁重に有難い存在として、仲良く共同生活をしていると、癌も痛みなどの反抗をすることもなく穏やかに過ごしてくれます。
その人の年齢や体調によって、癌は自然退縮するとは限りません。人それぞれです。ただ、丁重に扱っていると最後まで痛みもせずに穏やかに死後の世界に導いてくれます。末期癌を怖がらずに、有難い仏様のお使いと受け取って、大切にすることが一番良いのです。