私(癌)の気持ちです

 癌も人間の体内で、細々と命を繋いでいる生き物なのです。10年~20年かけてやっと1㎝になります。それも低体温、高血糖、低酸素、酸性体質、という条件の下で生きられる生物です。

 

 この条件を変えられると、我々癌は生きてゆくことが出来ません。いつまでもこの条件に合うような食生活や生活環境を継続して欲しいと願っています。アメリカや欧州では化学療法よりは食生活が大切だという風潮に変化しています。我々癌の最も恐れている方法です。

 

 若い頃は少々不摂生をしても、腎機能がしっかりしていますから、酸性物質は小便で流してしまい、弱アルカリ性の体質に腎臓がバランスを取っています。その為、我々癌は若い人の中では大きくなれないのです。

 

 ただ、若い人は体力がありますから、無茶をするのです。毎日のように遅くまで飲み食いしたり、夜もあまり寝ない仕事をしたり、ジャンクフード、炭酸飲料、ケーキ、甘いお菓子などの食生活をしたりします。

 

 このような無茶をすると我々癌の出番です。若くても癌の住みよいような環境が整えば、何時でも増殖します。ただ、普通の生活をしている場合は、50歳までは体力が体内環境を整えますから、我々癌はほとんど動けないのです。

 

 50歳を過ぎると、腎臓、肝臓、膵臓、肺、等すべての臓器の機能低下が進みだします。若いころのような食生活を続けていると、体内環境はドンドン酸性体質に近くなってきます。

 

 我々癌の仲間は、50歳代から増え始め、60歳、70歳、80歳、と急激な曲線を描いて上昇します。お年寄りの体内はまさに、我々癌の天国なのです。

 

 お年寄りでも、軽い運動、食生活の改善、良質の睡眠、良好な生活環境、笑いのある生活、など良好な生活を保っている人の場合は、内臓機能に負担をかけていないので、体内環境も弱アルカリ性を保つことが出来ています。

 

 このようなお年寄りの体内では、我々癌も残念ながら、増殖することは不可能です。90歳、100歳になっても良好な生活をしている人には近づけません。

 

 癌と宣告されても、化学療法を受けたくない、親戚の者が化学療法で苦しみながら死んでいる。又、本屋でイロイロな本を読んで調べてみると、化学療法が悪いという本も沢山でている。

 

 いろいろ考えた挙句、食生活の改善で、自分に出来た癌にも対処する決心をした。こんな考えの人に、私(癌)は出会ってしまった。酸性体質、高血糖、の中でうまい物を食べ、ぬくぬくと生活をしてきた私(癌)にとって、突然の食生活変化です。

 

 甘い物は入ってこない、まずい野菜や果物、発酵食品、海産物、など嫌いな食品ばかりが入ってきます。その上、梅干し、モズク、レモン、黒酢、など酸っぱい物が毎食のように入ってきます。

 

 私(癌)にとって天国だった、酸性の体内環境がいきなり、甘い物は無くなるし、酸っぱいアルカリ食品が頻繁に入ってくるし、嫌いな野菜や海産物、発酵食品、少しの玄米食が主食になるとは、考えられないカルチャーショックでありました。

 

 こんなはずはない、しばらく様子を見ていたのですが、3カ月たっても、食生活が変わらない。私(癌)はもう、腹が減ってフラフラです。しばらく殻をしっかり閉じて、冬眠することにしょう。世の中、良い時ばかりではないのだと思い知りました。

 

 私(癌)にとっては、化学療法をやってくれた方がよっぽどよいのです。手術された時は大変だが、我慢して一時期を過ぎると、快適な酸性体質に変化しています。そこはもう私にとって、飛び跳ねたいほどの天国なのです。

 

特に抗癌剤治療になると、体質はどんどん酸化してくるので、私の癌仲間がどんどん増える。そのたびに抗癌剤は追加される。負けてたまるか、癌仲間は身体全体にワッショイ、ワッショイ、お祭り騒ぎとなるのです。