薬は毒にもなる

 薬とは人工的な化学合成物であり、薬効とは人工物である薬を体内に取り入れることによって起こる化学反応である。実は、薬が体内に入った時にどんな化学反応が起きるかは、誰にもわかりません。処方した医師にも、薬の専門家である薬剤師にもです。

 

 一体どういうことかと驚くかもしれません。身体は一人一人違います。身体の状態も日々変わります。その為、ある一つの薬がある人には支障がなくても、

ある人には支障が出ることもあります。さらに薬の飲み合わせによっても化学反応が変わります。

 

 病院にかかり薬を処方される場合、1種類だけということはほぼないでしょう。風邪で病院にかかった場合でも、当然のように複数の薬が処方されます。解熱鎮痛剤、それによる胃痛を抑える胃薬、咳があれば咳止め、鼻水があれば鼻水止めなど。慢性病があると、ここに常用している薬が加わります。

 

 結果、1日に10錠以上の薬を飲むことも。慢性症状の多いお年寄りになると、常用している薬だけでも10種類以上はザラ。1日に飲む錠剤数は30錠、1週間で200錠にもなります。

 

 律義にすべて飲むことによって、「薬でお腹がいっぱいになり食事があまり入らない。おかげで痩せてしまって」と薬剤師に相談をする患者さんもいるそうです。なんだかおかしいとは思いませんか?

 

 何十種類もの薬の組み合わせで起きる化学反応は医者にも薬剤師にも分かるはずがありません。

 

 実際に、原因不明の症状で運び込まれた患者さんに対し、その方がいつも飲んでいる薬をすべて中断し、様子を見ることがあります。薬による体内での化学反応を止めてみるのです。その結果、原因不明の症状がすっかり治ったという冗談のような現実があるのです。

 

 生まれ持った素晴らしい身体の働きぶりに横やりを入れ、勝手な化学反応によって体内の調和を崩してしまう。それが、薬という異物を体内に入れる危険性です。

 

 風邪薬を服用したことによる肝機能障害を起こす人は沢山います。肝臓は代謝を司る器官です。食べ物も薬も外から吸収されるものは全て、この肝臓が処理しています。薬という異物のダメージを真っ先に受け止めるのが肝臓です。

 

 薬に頼る生活は、その場の症状を緩和する代わりに、肝臓をはじめその他の臓器に深刻な影響を与えています。そして最悪の場合その先には、死が待っていることを忘れないでください。

 

 薬は症状を緩和するだけ、病気を治しているのは自己の持つ白血球や免疫細胞が働いて病気を治しているのです。薬は毒になることを考えて、なるべく薬に頼らない生活を心がけてください。