間食の意外な功罪

ちょっと休憩、仕事の合間に少しだけ、お菓子をつまみながら、仲間との楽しい会話、誰にでも楽しい一時です。仕事の緊張をほぐす、大切なリラックスタイム、おしゃべりと笑いで体の緊張はほぐれ、脳内の疲れをとることも出来ます。

 

 このように大切な休憩時間でありますが、ここに意外な落とし穴があるのです。少しだけの間食、お饅頭1つだけ、とコーヒー1杯、たったこれだけの間食が、体を少しづつ肥満体に近づけてゆきます。

 

 間食は少ない食材が体内に取り込まれます。ちょうど消化吸収作業の終わったばかりの胃の中は空っぽ、そこへ少量のおいしいものが入ってくると、内臓はすべてを栄養として取り込んでしまいます。

 

 3度の食事でちょうど適量のカロリーに、プラス 間食となり、間食は確実に余分な栄養として、脂肪、肥満、高血糖、となって体内に取り込まれます。毎日のことですから、全く気が付かないうちに肥満体になっているのです。

 

 問題は間食の時間帯にあります。食事を終わって、食物の消化吸収という仕事も終わり、内臓はやれやれ、これから一休みという時間が、間食の時間と一致しています。その時間に間食が入ってくると、内臓は休む暇もなく仕事をしなければなりません。

 

 これが毎日続くと内臓はへとへとに疲れます。その疲れは人間の症状となって現れています。疲れやすい、だるい、肩がこる、背中が痛い、目が疲れやすい、腰が重い、こめかみが痛い、などとなって現れます。

 

 これを内蔵の疲れからきている症状と、とらえている人は少ないのです。働きすぎや寝不足、からきていると思っている人がほとんどです。

 

 内臓は文句も言わず、黙って、黙々と作業をこなしていますが、間食が多くなり、内臓の疲れもピークに達すると、内臓も怒り出します。それは症状となって現れます。

 

 イライラ、痛いような肩こり、首の凝り、偏頭痛、緑内障、ひざの痛み、腰の痛み、高血圧、糖尿病、などあらゆる病気となって現れます。

 

 60歳代の奥さん、おしゃべりが好きで、人を楽しませることが大好きで、明るく陽気な性格でしたから、お友達も多く、若いころから人気者でした。

 

 自宅でも、お友達の家でも、おしゃべりに花が咲き、お茶とお菓子を摘まみながら、笑いと楽しさに明け暮れていました。

 

 そんな彼女が、ふと気が付いた時には、周りの景色が見えないのです。正面はよく見えるのですが、周りが見えなくて、物に躓くようになりました。おかしいと思い眼科に行って調べてもらうと、緑内障がだいぶん進んでいるといわれました。

 

 それからは、岡山まで行って、目の手術をしたり、入院、退院、の繰り返しで、3年後にとうとう失明してしまいました。

 

 失明してから、肩がこるということで、当院の鍼灸治療を受けに来たのです。治療をしながら、いろいろ聞いてみますと、彼女の明るい、おおらかな性格が、お友達や間食とつながり、緑内障に発展してきた過程が分かってきました。

 

 たかが間食、されど間食です。何気ない間食が、重大な病気に関係しているのです。出来ることなら間食はしないほうが良いと思います。