運動は健康の土台造り

運動は健康の土台造りの基礎

 運動をして筋肉を鍛えるということは、筋肉だけの強化ではありません。全身の強化に繋がります。有酸素運動では呼吸が多くなり肺に出入りする酸素が増大するため肺機能が強化されます。

 

 それと共に、心拍数も上昇して血流が増大するので、心臓に負担が掛かり、その負担を跳ね返すため心臓は強化されます。肝臓、腎臓、膵臓、胃腸なども例外ではありません。背骨、腰骨を大きく動かし何十分もの歩行運動の場合、背骨を通して神経が内臓全般に行き渡っていますので内臓の強化にも繋がっています。

 

 運動をすると基礎代謝が上昇します。基礎代謝と言うのはじっとしてテレビを見ていても、寝ていても自然に消費されるエネルギーのことで全エネルギーの60㌫は基礎代謝で消費されます。

 

 その基礎代謝が上昇するとエネルギーをドンドン消費するので肥らない身体になります。その反対に基礎代謝が悪くなり、余分な脂肪がつくと糖尿病や高血圧、心臓病、脳血管障害、癌などの慢性病に掛かりやすくなります。運動をして基礎代謝をあげることは、慢性病を回避することにもなるのです。

 

 筋肉は身体の中で一番多く熱量を発散する力があります。その為、運動をして筋肉を付けると身体が温かくなります。体温が1度上昇するだけで、癌になる確率は25%減少するといわれています。

 

 体温が上昇するということは、それだけ血流が良くなることに繋がり、全細胞に充分な血流が配布されますので、身体全体が若々しく、肌の色艶が良くなります。

 

 運動は交感神経を刺激して活発な動きをします。昼間にしっかりと交感神経を使うと夜になってお休みモードになる頃には、交感神経は疲れて、副交感神経が活発になります。

 

 強くボールを地面に叩きつけると、そのボールは強く跳ね上がるのと同じで、交感神経を昼間にしっかりと使うと、夜は副交感神経が活発になるのです。運動は自律神経のバランスをとる作用があります。

 

 副交感神経が活発になると、夜中の睡眠が良くなりぐっすりと朝まで良く眠れます。夜中にしっかりと睡眠をとることは、疲れを取るだけではありません。内臓、脳、腸内環境、全細胞の回復になっています。

 

 特に腸の中では、蠕動運動によって食べたものが消化吸収されています。運動はその蠕動運動を手助けする働きがあり、腸内環境を良くしてスムーズに消化吸収と排便までの過程を活発にします。

 

 腸の中の環境が良くなると、免疫細胞が多く造られ、善玉菌が増え、排便がスムーズに行われるので、腸の中で毒素が生産されることがありません。優秀な栄養だけが吸収されると、その栄養は肝臓に行き、もう一度処理されて全身に行き渡ります。

 

 肝臓は毒素の入っていない優秀な栄養だけが入ってくると、それだけ肝臓にかかる負担が軽くなり、肝臓の機能は一段とアップされます。

 

 このように運動はあらゆる機能の上昇に関係してきます。ただ、運動と言っても無理な運動は逆効果になります。自分に合った気持ちのよい運動を毎日持続的にすることが大切です。

 

 歩行やジョッキングなどの有酸素運動と、腕立て伏せやスクワットなど力を入れて筋肉を付ける運動があります。どちらも運動として筋肉を付けるためには有効です。お年寄りには30分以上の歩行、若者にはジョッキングがお勧めです。

 

 腕立て伏せ、スクワット、階段の上り下りなどで短時間に筋肉を付ける運動も時間の足りない時に有効です。両方の運動を自分に合った範囲で取り入れてください。やり過ぎない事、たんぱく質は筋肉の材料ですから、全摂取量の15%はたんぱく質を取ってください。

 

 運動は筋肉の増強、基礎代謝、血流、体温、交感神経のバランス、良好な睡眠、腸内環境の改善、排便の促進、血液循環の促進など、あらゆる基礎的な体内環境にとって欠かすことが出来ない、身体の土台造りの基礎です。

 

 自分の身体を造る土台は、薬でもお医者さんでも他人でも造ってくれません。自分で造るものです、しっかりした土台を作って健康で長生きしてください。