癌を手術する前に読む本

 検査で癌と分かった人が、すぐに手術をするということを聞くことがよくあります。私はその話を聞くと手術は止めておきなさい。もうちょっと調べてからにしてはどうですか?と止めようとします。

 

 ところが検査で早期がんと宣告された人は、怖いものを振り払うようにあわてて、お医者さんの言うとおり、手術台に自分から乗りに行く勢いで決めてしまいます。それは押し留めることがとても出来ない信念のようなものです。

 

 国を挙げて検査体制がしっかりしている日本では、早期がんの発見が急激に増えています。早期の癌は放って置いても、10年や20年は長生きします。その最初の6ヶ月間で、癌について充分な知識を習得してもらいたいのです。

 

 かりに6ヵ月後に手術したとしても、癌の知識を充分知った上で手術すると、その予後の経過が、自分でコントロールできるのです。この知識があると無いのとでは、予後の再発や転移にとって、雲泥の開きが出来てきます。

 

 癌より怖い、がん治療。という本に近藤誠先生が乳がんを放置して25年という文を載せている。その全文を紹介しょう。

 

 1995年、当時45歳のB子さんは,マンモグラフィで左の乳房に微小石灰化が発見され、生検後に乳房全摘術を勧められた。その後、僕の外来を訪れた。生検の結果は(乳管内乳癌)。

 

 僕はこのタイプは典型的な(がんもどき)と考えていた。しかし、B子さんが乳房温存手術を望むのであれば、乳房の温存手術をしてくれる外科医を紹介するつもりでいた。だが、B子さんは一切の手術は受けたくないといった。

 

 そこで何もせずに様子を見ることにし、半年に1度ぼくの外来を受信してもらうことにした。それから何年たっても腫瘍もシコリも生じなかった。25年目(2014年)の今も生存中である。

 

 上記は近藤誠医師の文章であるが、早期がんで成功する場合は、がんもどき(にせの癌)であることが多い。本物の癌である場合は、癌体質が進行しているので、癌体質そのものを変化させなければ、再発、転移、がついてまわる。

 

 

 その意味でも、癌の検査で癌が発見された人は、まず近藤誠医師の(癌より怖い、がん治療)という本を読んで頂きたい。