癌と腎臓の関係

 

 癌を知る上では、腎臓の働きを考えておく必要があります。年を取ると癌になる確率は若い人の3倍~8倍になり、年を取るほどこの倍率は高くなります。

なぜこのように年齢と癌の関係がはっきりしているのか? ここに腎臓の機能低下という問題が絡んで来ているのです。

 

 成人では50歳を過ぎるころには平均して、腎機能が70%台に落ちています。60歳代で60%、70歳代では50%以下となります。これは平均ですから、もっと悪くなっている人は当然います。

 

 腎機能が30%より下がると、人工透析はどうですかと、お医者さんに進められます。蛋白尿、高血圧、むくみ、血尿、貧血、疲れやすさ、倦怠感、などが出て、おかしいなと思ってお医者さんに診てもらうと、すでに腎機能の低下が進み、人工透析寸前まで来ていることがあります。

 

 腎機能が低下してくると、身体にあらゆる負担がかかり、その負担が癌の発生に大きく関係してきます。腎機能が40%代になっても、身体には何の違和感も無いのです。それほど腎臓は悪くなっても、もくもくと仕事をこなしている臓器です。

 

 しかし、腎機能が低下してくると、腎臓の働きが悪くなり、老廃物の排泄が充分に出来なくなり、毒素が血液の中に混じって巡回します。血圧が上昇して身体全体に負担がかかります。血液が酸性に傾き癌が発生しやすくなります。

 

 腎機能の低下と、がんの発生は切っても切れない関係にあります。腎機能は年齢と共に自然に下がってきますが、早くするのも遅くするのも、本人の生活習慣によって、大きく変化してきます。次に腎臓の働きについて記します。

 

腎臓の働き

 

  老廃物の排泄 尿素、クレアチン、尿酸、薬物、その他の毒素も、みんな尿の中に溶けだして排出させる働きがあります。

  体液の恒常性維持 水分、ナトリウム、リン、カリウム、重炭酸イオンといった電解質が体内には一定の割合で含まれているが、この一定の割合を維持して、身体を守っている。血液の酸性、アルカリ性の調節もしている。

  ホルモンの生産 血圧の調整、赤血球の成熟、骨粗そう症を予防するビタミンD等の代謝に関与する、様々なホルモンを生産しています。

 

腎機能が低下してくると、上記の働きが悪くなり、様々な症状が現れてきます。血圧が上がる、貧血になる、タンパク尿が出る、年を取ると腰が重くなり、すぐ座りたくなる、耳が遠くなる、疲れやすい、等の症状も腎機能低下が原因していることが多いのです。

 

腎機能低下の原因

 

 糖尿病性腎症で腎機能が低下する確率が一番高くなります。食べ過ぎ、飲みすぎ、間食、脂っこい食事、肉の過食、タバコ、等により高血糖状態が何年も続くと、徐々に腎臓の中にある糸球体の濾過機能が低下してきます。老廃物が除去されずに血液の中に入り込むと、むくみ、高血圧、蛋白尿、疲労感、が多くなります。

 

 普段、何気なく食べている間食、この間食が曲者で、不必要な糖分が入り込み、高血糖状態になりやすくなります。3度の食事は身体に必要な代謝機能を維持するために使われますが、間食は全く余分なもので、ほとんど糖分として蓄積されます。

 

 急性腎炎 ウイルスにより、扁桃炎、喉頭炎、等で高熱が出た後、10~15日後に発症することが多い。腎臓の糸球体内に炎症性変性を起こしている状態、尿の出が悪くなります。小児に多く発症するが、若い人にも見られます。予後は良好で80%~90%は治るが、一部は慢性腎炎へと移行します。

 

 ウイルスは腎臓での濾過作業においても分別されるため、年を取ってから風邪を引くと、腎臓の糸球体に大きな負担が掛ります。小児や若者と違って炎症性の病変はないが、成人では、腎機能低下となって現れます。

 

 その他、腎盂炎、慢性腎不全、ネフローゼ症候群、急性腎不全、等があります。

 

日常生活の注意点

 

  腎機能を長持ちさせる為には、保温、食事療法が主体となります。塩分の制限、肉、脂っこい食事、間食、過食、糖分の取り過ぎ、たばこ、酒の飲み過ぎ、に注意が必要です。

  疲労を翌日まで残さない、激しいスポーツは禁止、しかし、軽いスポーツで体液の循環を良くする事は大切になります。

  仕事は毎日8時間以内とする。長時間の立ち仕事、高温や寒い所での作業に注意、長すぎる通勤時間は避けましょう。

  風邪の予防、腹8分や、半断食で風邪を引きにくい身体に作り替えましょう。風邪薬や薬類は、腎機能を低下させる危険性あり、安静にして自然回復を待つのが安全です。

 

腎臓の鍼灸治療

 

腎機能低下にとって鍼灸治療は特別な効果があります。もちろん、食生活や生活環境の改善が基本となります。その上で、鍼灸治療をすると腎機能の改善が驚くほど速くなるのです。

 

 それは、腎臓に合わせたツボに、ピンポイントで施術することが出来る為、腎臓を巡っている神経、血液、免疫機能、等が一時的に活発な働きをします。この治療を繰り返すことにより腎機能は改善されます。

 

 腰1-1Lというツボは、ちょうど腰の上部に位置し、腎臓の高さと同じ高さにあります。ここの腰椎から出ている神経は、腎臓を巡り、腎機能に大きく関与しています。知熱灸をして、神経が活発になると、腎機能は向上して、一時的ではありますが、腎症状は大幅に改善されるのです。

 

 その他、腰の3-1K,腹の5-1K、等も併用します。これらの治療をすると、今まで夜中に4回もおしっこに起きていたのが、1回~2回に減ったりします。又、腰が疲れないで、長時間歩くのも楽になります。

 

 鍼灸治療の良い所は、自然の刺激です。腎臓には老廃物を取り除く役割があります。化学薬品は毒物ですから、薬は腎臓に負担が掛るのです。お灸の温熱と、鍼の刺激は、完全な自然医療と言えましょう。

 

 腎機能の低下防止には、薬に頼らず、鍼灸治療のような自然の刺激が最も適していると思われます。